ヘルスリテラシーとは何か

ヘルスリテラシーは、健康や疾病に関する正しい知識や情報を獲得し理解、活用するための能力です。ヘルスリテラシーは個人の生活の質や生命を維持するための大切な要素の1つだといえるでしょう。しかし、実際に患者が自分自身で健康に関する情報を収集することは困難な場合が多いです。たとえばインターネットには様々な健康や医療についての情報があふれていますが、必ずしも正しいものばかりとはいえません。中には怪しい情報も数多く含まれているのが現状です。

そこで重要になるのが医療機関で得られる知識です。医師や看護師とのコミュニケーションの中で患者が適切なアドバイスを受けることは治療や健康維持に大きく役立つほか、具体的な治療方針の決定等にも大きな影響を及ぼします。さらに糖尿病やぜんそく、高血圧など自己管理が必要な疾病の患者にはヘルスリテラシーはとても重要になるでしょう。その際、医師や看護師は患者のヘルスリテラシースキルに気を配り、誤解のないように伝えることが重要になります。

ヘルスリテラシースキルの低い患者の場合は医療従事者がしたはずの説明を、されていないと認識してしまうこともあります。また治療方針等の説明がよく理解できなくてもなんとなく同意してしまうような場面もあるかもしれません。そのようなことを減らすには、教育や行政、医療従事者の側からのヘルスリテラシーに対する日頃の支援や取り組みも大切になるでしょう。また、看護の側からも専門用語の多用を避け、理解しやすい言葉で伝えるなどの配慮が必要といえます。